
- 2011.02.14
「ありがとう」に、ありがとう。
長らく撮影をつづけていると、考えます。
不器用で臆病な私が、どうしてこうも人様にカメラを向けて写真に夢中になれるのだろうか、と。
私は幼稚園や小学校でのスナップ撮影が大好きです。
こどもさんたちや先生方とお話を交わすのが何より楽しい。
撮影の日の朝は私もこどもさんといっしょで、ワクワクしながら出かけます。
先生とこどもさんとのふれあいを間近で見ていると、それはとてものどかでほほえましくある一方、先生方の熱意や苦労、こどもさんたちの努力と成長が垣間見えたりして、心揺さぶられます。
一時として平凡に思う瞬間はありません。
写真はコレと決まった答えのある仕事ではないので絵づくりにはいつも悩まされますが、私は目の前の感動に素直に応えてシャッターを押すようにしています。丁寧に、冷静に。
これほど撮影中は充実した時間をいただいているのにもかかわらず、仕事のあとは怖くて落ち着かなくてたまりません。
後々写真をご覧になったご家族のみなさんの歓びの声をいただいて、ようやく少し、けれど確かな自信を持つことができます。
私がとくに励んでいる撮影の中に、集合写真があります。
スクールフォトにおいてもスナップの一環として撮影させていただいていますが、こどもさんたちの集合写真ほどむずかしい撮影はないかもしれません。
何しろみなさん好奇心旺盛。じっとしててね、なんてお願いするほうが酷な気がして、けれどほんの一瞬、クラス全員にご注目していただけるように一生懸命工夫を凝らします。
このときばかりは弱気になんてなっていられません。ヒーローに変身です。
目線をいただくチャンスは四回、五回ほどでしょうか。
それ以上はきっとこどもさんたちの興味、集中力が保てません。私にとっては長い長い一瞬です。
無事撮影が終わるとすうっと力の抜けたところ、決まってこどもさんたちが声をそろえて「ありがとうございました」とエールをくれます。
このときどんな表情を浮かべたらいいものか、いつも困ってしまいます。
このうえなく嬉しいけれど、何だか照れ臭くて。
いやいや、みんなが喜色満面だったから。私はいつでも小さな勇気たちに導いてもらっているだけ。
その純粋な感謝の言葉に胸が熱く、この次も何だってできてしまいそうな気さえします。
そんなたくさんの温もりに支えられて、今日も私はみなさんの笑顔を撮りつづけることができるんだと思います。
本当に、本当に、ありがとう。
文筆:桜井 正幸 カメラマン
















